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監修した雑誌が発売されました

建築知識の最新号(2012年9月号)が発売されました。
タイトルは「最強の木造現場「マンガ×写真」図鑑」となっています。
木造住宅の現場で確認すること、設計で注意することなどををマンガ、
図面、文章で解説していて、事前調査から竣工まで網羅されています。
マンガは最近の建築知識さんの傾向です。若い人にとっては入り込み
やすいのだろうと思います。

私を含めた2名の建築家と施工会社の監督さんで監修しました。
監修をすることを通して自らも色々再確認することが出来、約半年間
の作業でしたが、とても新鮮で有意義でした。

木造住宅の設計や監理を始める方にとても参考になると思います。
ご高覧下さい。



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仮設建築はプリミティブ

被災地を廻りながら、仮設建築を見学してきました。
被災者用の仮設建築は、ある意味通常の本設建物よりも、より建築的
資質が問われているであろうし、どのように答えを出しているか非常
に興味がありました。色々見学した中で特に印象に残った建築を紹介
します。

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こちらは陶器浩一研究室+高橋工業が設計施工した「竹の会所-復興の
方舟-」です。気仙沼の南の小さな港町にありました。

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竹で編まれたように作られた小さな集会場は、非常に良くできている
と思いました。建築としての形のプロポーションも内部空間のスケー
ル感も良く、何よりも竹で編んだ構造が、繊細でありながら荒々しく
力強い。あまり経験したことのない独特の雰囲気を作り出していまし
た。

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またそのディテールがよく考えられています。普通に竹を紐でたばめ
ようとしても滑るのでガムテープで巻いて摩擦面をつくっているとこ
ろや、竹の径の大小を組み合わせて接合部を作り出しているところな
ど、短期間でよく考え出したものだと感心させられました。



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次にこちらは「女川町仮設住宅」で坂茂+他の設計です。


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コンテナを一部に使った建築で、その建設過程やディテールに特徴が
ありますが、住棟間隔のとり方や、開口部の開け方や設えなど普通に
建築的に見てもよく考えられていると思いました。


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また、共用の施設としての幕で覆われた広場や集会場も印象的でした。
住戸数が多いこともあって、このような共用の施設が必要ですが、そ
こが住民の交流の場としてとてもうまく機能していました。施設全体
に住民同士が会話している姿や子供の遊ぶ姿が見られたこと、そして
我々のような部外者へも笑顔で元気に挨拶してくる子供達がとても印
象的でした。


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こちらは南三陸町歌津応急仮設住宅です。針生承一+他の設計です。

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こちらは木造平屋の仮設住宅で、何戸かが一体となった長屋の住棟が
ある程度距離を保って並んだ形式になっています。掃き出し窓と玄関
のアルコーブの作り方に特徴があり、それぞれの住民の個性が出せる
かたちになっていました。こちらでも住民同士が会話している姿をあ
ちらこちらで見かけ、また皆さん笑顔で挨拶をしてくれました。

これら2つの仮設住宅の共通点として、プライバシーをある程度なく
しているところに良さがあると思います。それが住民同士の交流を促
していて、コミュニティを作り出していると思いました。実際に見学
する前は、仮設なのでプライバシーを確保することが課題だろうと思
っていたのですが、実際は逆で、プライバシーをある程度崩したとこ
ろが重要であることがわかりました。他の仮設住宅で、プライバシー
を追求する余り、閉鎖的になって住民同士の交流があまりなさそうな
ところがありました。通常の集合住宅でもコミュニティは課題になり
ますが、被災者のための仮設となると、孤独感を無くすためにどうコ
ミュニケーションを誘発させるかがより重要なのであろうと思います。

そして、具体的な設計の方法としては、開口部の作り方や住棟構成と
共用スペースの作り方が、やはり重要だとわかりました。


これら3つの建築を見学して、共通点として言えることは、震災の仮
設建築ということもあって、当然余計な物がそぎ落とされた形で建築
がたちあらわれている事、そこに設計者の明確な意図が組み込まれて
いること、そしてその意図がうまく機能していることが挙げられます。

建築は当然ですがよく考えないといけないし、考えて良いものになる
ととても役に立つものだという、当たり前だけど忘れがちな建築家と
してのプリミティブなモチベーションを確認できて非常に為になった
見学でした。



復興の困難さ

1年ぶりに被災地に行ってきました。
石巻、女川、南三陸、気仙沼、陸前高田、そしてその道中の小さい村
や町を見てきました。

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実際に行ってみて分かったことは、復興の可能性が見える場所とそう
でない場所があるということです。比較的大きな街、例えば気仙沼の
港町とかは、船も一部戻り、復興の可能性を感じますが、小さな町や
村は、1年半経った今でも全く手つかずの所も多くありました。
ただ、前者のように復興の可能性を感じさせる場所も、今の方向性が
良いかどうかは疑問です。適切な方向性が示されないまま、それを待
ってられず動いているのが実情だと思われました。後者の手つかずの
場所については、さらに大きな問題です。



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また、被害にあった多くの学校が手つかずのままということも分かり
ました。とても痛ましい状態ですが、かなり強いメッセージ性をもっ
ているので、このまま残すという考え方もあるのかもしれません。
けれども実際に通っていた生徒や、母校とする卒業生の人たちが、こ
の状況をどう思っているのか考えさせられます。


復興にはまだまだ時間がかかりそうです。
地震だけでなくて津波による被害とその精神的ダメージの大きさを
1年半経った今でも実感させられました。







M邸屋根

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現場報告に間があいてしまいましたが、M邸新築工事の続報です。柱、
梁、筋交いなどの構造体が終了し、先々週から外壁と屋根の下地工事
に入っていました。こちらはリビングの内観です。大屋根の勾配なり
の片流れの天井と大開口のある空間になります。


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屋根仕上げもほぼ終了です。真ん中の穴には薪ストーブの煙突がとり
つきます。


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色んな方向に向いた屋根がそれぞれの「場所」をつくりだします。こ
の関係性がどう空間に反映されるか楽しみです。





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森吉直剛アトリエ

Author:森吉直剛アトリエ
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