
都内で昨年末に竣工したM邸の竣工写真が上がってきました。
遅くなりましたが作品の説明も兼ねてご紹介します。
こちらは玄関へのアプローチです。
工事中移植していたモミジをアプローチ脇に戻しています。撮影が1
月末だったので幹だけになっていますが、春は新緑が、秋は紅葉がア
プローチを彩ります。

リビングダイニングの前には広いデッキテラスと製作したバーベキュ
ーコーナーを設けています。既存の15Mを超すクスノキの向こうに、
浴室、書斎、2階には子供部屋とベランダがある棟を配置しています。

逆の方向からリビング棟を見たところです。
このように、それぞれの空間からは別の空間が外部空間を挟んで関係
を持てるように計画しています。

簡単に計画コンセプトを説明します。
敷地は都内の23区内にもかかわらず既存で多くの木々で覆われてい
て、中には15Mを超すクスノキやケヤキもあって、木々の魅力を計
画に反映させることが、計画の自然な命題となりました。
住みながらの建て替えでもあって、一部残した既存建物をよけながら、
樹木の間を縫うように建物を配置するスタディを重ね、最終的にはこ
のように、4つの棟に分けてそれぞれを廊下で繋げるかたちとしてい
ます。
棟ごとにLDK、寝室、和室、子供部屋等の機能を与えて、それぞれ
違う方向に向いた片流れの屋根を設けました。そうすることによって、
住まいの中でそれぞれ違った経験ができる場所を設けました。
その上でお互いに関係性を持たせるように、各棟から別の棟が見える
ように開口部を設け、さらにその間に外部空間をはさむかたちとして
います。お互いの距離と見え方の角度、外部空間のとりかたを注意深
く設計し、四季を通してそれぞれの場所での経験と、そして場所どう
しの距離感を楽しむ事ができる住まいとなるように設計しています。

リビングからダイニング方向を見ています。
ダイニングは掘りごたつ形式として、視線のレベルをデッキテラスの
床や薪ストーブの炎と近い低い位置に設定する事によって、リビング
と同じ部屋でも違った空間を感じられる場所となっています。

リビングダイニングからデッキテラス方向を見ています。
製作されたバーベキューコーナーとクスノキの木が視線のアイストッ
プとなっています。

浴室と洗面スペースです。
浴室の窓からはリビング棟が見るようになっています。

リビングダイニングのテラス側の窓は、木製製作建具として、全て引
込むことができます。

こちらは玄関土間です。
ウメの木が植えられた坪庭が家族や来客者を迎えてくれます。

全景夜景です。
それぞれの場所がお互いに独立しながらも外部空間を通して繋がりを
持つ関係性にこだわって設計しました。
このほかの写真も含めて後日ホームページにアップする予定です。