す。

解体途中に現場で打合せで訪れました。こういう光景は随分見慣れて
きましたが、今回は現場を見て即安堵でした。築45年にもかかわら
ず、土台、大引、柱の根本も腐食やシロアリ被害もなく、躯体はまっ
たく問題なしです。設計段階で入れていた床下換気設備は必要無しと
判断して取りやめることになりました。
考えられる要因として、まずは使い方が良かったということ。クライ
アントから良く耳にしていたのが、「うちは風通しがよいので」とい
う言葉です。裏を返せば風通しを良くして暮らしていたということで
す。あとは低断熱だったことが考えられます。結露は温度が急に下が
るところで発生します。つまりは断熱材の外側が一番危険ですが、こ
ちらは木摺りとモルタル外壁で、グラスウールなどの断熱材がありま
せんでした。
木造建築は低気密低断熱が耐用としては良いということが再確認され
ます。昨今求められる高気密高断熱は、木造建築にとっては酷な環境
となることを理解する必要があります。その上でどう回避していくか
が性能上求められますが、まずは風通しがよい住まいにすることと、
住み手に風通しをさせる計画なり説明なりが意匠設計者として必要な
ことであると思います。そのことを再確認できた今回の現場でした。