透明感の種類

そういえばユニクロ銀座店がオープンしたなと思い、昨日仕事帰りに
寄ってみました。雨にもかかわらず、予想通りの混雑ぶりで早々に入
るのをあきらめ、そのファサードを眺めてみようと道路の反対側に移
ってみました。

ユニクロ_銀座


2層毎にスラブで受けたガラスのショーケースのようなファサードに、
カラフルな服をまとったマネキンがずらり。そして1体1体がぐるぐる
回っていました。
単一ブランドの商品をこの規模で見せるファサードも無かったのでは
と思い、なかなかインパクトがあるもんだと眺めていました。

ふと、以前会社に勤めていた頃、物販店舗のファサードのあり方につ
いて色々考えていたことを思い出しました。
その頃は「ガラスでとにかく透明に」という考えが主流で、フレーム
を無くしたり、フレームを出来るだけ細くする為の技術を追求したり
と、とにかく予算の許す限りその境界を消していくことが命題のよう
になっていました。僕自身もそのてのディテールを集めて研究したも
のでした。

けれども、そもそも透明で境界を無くすことが、物販店舗に人を呼ぶ
ことになるのだろうかと疑問に思うこともあって、一度社内コンペで
「隠すこと」をテーマにした案を提示したことがあります。案は採用
されたのですが、途中でプロジェクトがストップして残念ながら実現
には至りませんでした。けれども店舗のファサードを考える良い経験
にはなっています。

さらにその後の経験などから、店に人を呼び込むための透明感には、
種類の違いがあると思っています。とにかく境界が消えたように見せ
る透明感と、あえて境界を見せることによる透明感です。
前者はわかりやすいですが、後者について説明すると、境界を意識的
に見せることが、こちらとあちらを違うものとして現し、あちら側の
存在感を顕著にさせることによって、人はむしろ透明に感じるという
ことです。大事なことは境界を無くすことではなくて、境界を如何に
効果的に造るかということになります。
そして、その透明の種類は、中に入る商品、ブランド、呼び込みたい
客層にも依るということです。ユニクロのように、made for allと掲
げるブランドだと、この銀座店のように出来るだけ透過度の高い透明
性が相応しいようにも思いますが、違うブランドは違う透明感が必要
です。

そんなことを思い起こしながら、あらためて眺めてみると、このぐる
ぐる回るマネキンは透明感をもたらす「境界」デザインだと思いまし
た。そして、ガラスの内側の両袖壁と天井面は何かできそうだと勝手
に思ったりもしました。

人を呼び込む「透明感の種類」、また機会があれば考えて見ようと思
います。



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